ボトックスは表情筋の収縮を和らげて、シワ取りや柔和な表情を作り出す目的で使われる美容治療です。
「ボトックス って段々と効かなくなるってホントですか?」
というご質問をよくいただきます。
4〜5ヶ月毎の治療間隔で長年続けられる方も多いので「長年ボトックスを打ち続けるとどうなるの?効かなくなるの?」と心配される方も多いです。
今回はその疑問にお答えしますね。
ボトックスが効かない理由は?
適切な単位数を用いて、適切な部位に注入してもボトックスが効かない場合は、ボトックス治療により抗体が出来てしまった可能性があります。
ボトックス注射を受けた後、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)に対して中和抗体ができて、再びボトックスを注射したときに抗体がボトックスを異物として攻撃し、ボトックスが効かなくなってしまう現象が報告されています。
しかし、実際には抗体によるものよりも、必要な量を必要な部位に注入していないから効かないということの方が多いです。
ボトックスは、効果の出方に個人差がある治療ですので、初回治療でピタリと効かせるのが難しいこともあります。ですので、無料調整期間などを設けて、フォローしているクリニックで受ける方が安心かとは思います。
ボトックスで抗体ができる確率は?
1997年以前のボツリヌストキシン製剤では抗体が出来やすい不純物が多く含まれていたので、高率で(10%程度との報告もあり)抗体ができていました。
では今はどうでしょうか?
当院で使用しているアラガンのボトックス ビスタでの大規模試験がありますので、その結果を見てみますね。
BOTOX®の投与により抗体が産生される確率はどの程度か?
つまり、眉間ボトックス では0.28%に抗体産生が見られることがわかりました。
【Naumann M et al. Mov Disord 2010;25(13):2211-2218)】
『抗体産生=効果がなくなる』というわけではないので、美容治療での少量のボトックス使用では、 ボトックス が効かなくなる可能性がある方は0.28%以下と言えるかと思います。
ボトックス が効かなくなるのは、357人に1人より少ない確率というわけですね。
気を付けたいボトックスの治療間隔は?
357人に1人以下と、そこまで抗体産生のリスクは高くないですし、抗体ができてもそれが直ぐに効果消滅に結びつくわけではないので、神経質にならずボトックスの良さを享受していただければと思います。
ですが、なるべくなら気をつけていただきたいことはあります。
それは…
3ヶ月以内のボトックス治療はなるべく避ける
ということです。
(美容医療で使用するボトックスは量が少ないので、ここまで厳密にしなくても良いという考えもあります。ただどちらが良いかと言えば、可能でしたらまとめて施術して治療間隔を3ヶ月以上取っていっただく方をおすすめします。)
違う箇所のボトックスを計画される場合は
先月は眉間にボトックス
今月は目じりにボトックス
来月はアゴにボトックス
というようなのはやめて、眉間・目じり・アゴをまとめて施術して、治療間隔をしっかり3ヶ月以上は開けた方が良いということです。
このように治療間隔だけ気を付けていただいて、ボトックスの良さを享受していただければと思います。
最後に
当院のボトックス・ヒアルロン酸注入などのしわ・たるみ治療は、ご遠方からも多数ご来院いただいている人気の治療メニューです。しわ・たるみ治療にご興味のある方は、こちらもご覧ください⤵︎