ボトックスと言えば、シワ取りで有名ですよね。
それは全然間違っていないですが、私にとっては『ボトックス=シワ取り』ではないのです。
多分このブログを読んで下さっている方は、人生ウン十年生きていらっしゃる方がほとんどかと思います😜
人生も長くなってきますと、お顔に様々な癖が刻まれてきます。
顔には表情筋という筋肉が多数あり、私たちはその筋肉を動かして、笑ったり、喜んだり、怒ったり、悲しんだりしています。
それを生まれてからずっと毎日繰り返しているわけです。
表情筋の動き自体は全然悪いことではないのですが、(だって動かなかったら鉄仮面ですものね!)ある特定の表情筋を使い過ぎていると具合が良くないわけです。
例えば眉間の鄒眉筋(すうびきん)を使い過ぎていると、その筋肉のみが過度に発達してしまい、眉をひそめているわけではないのに、いつも不機嫌な表情に見えてしまうなど、全体的なバランスが崩れてしまいます。
ですので、私はシワというよりは、このような使い癖による影響に着目しています。
表情筋というのは、上制筋(上に引っ張る筋)と下制筋(下に引っ張る筋)が拮抗して作用しています。
例えば、口角挙筋が口角を上に引っ張り、口角下制筋が口角を下に引っ張ります。
つまり、上制筋v.s.下制筋の綱引きのようなものです。
ボトックス治療は、上制筋と下制筋がどちらも極端に強くなったり弱くなったりすることなく、良い勝負になるよう、バランスを整えてやることを意識して施術しています。
顔の上で表情筋たちがあちこちで繰り広げている綱引きを、私はボトックスを使って応援したり妨害したりするわけです。
強過ぎる筋はボトックスを使って引っ張る力を弱めてやることで、対戦相手の弱かった筋が本来の力を取り戻してきます。
このように…
力のバランスを整える
ことこそがボトックスの本来の目的です。
このような調整を必要に応じてお顔のあちこちで細かくしていくことで、どこにも強い力みのない『癖のない顔』が出来ます。
ボトックスは表情筋の調律師です‼️
(ピアノの調律を思い出しました)
「ボトックスは不自然になるのが嫌だ。」というお声はよく聞きますが、それはシワを取ることを目標にして追求し過ぎた結果かもしれません。
眉間のシワが嫌だからといって鄒眉筋が全く動かないほどボトックスを使ったり、額のシワを消したいと前頭筋を全く使えないくらいの量を注入するとバランスが崩れます。
ボトックス後の困った症状については下記のブログもご覧ください。
私は診察時その方の『表情筋の使い癖』に着目しながらお話しています。
気になるところがあるとジロジロと見てしまうかもしれません🙇♀️
シミ治療のお話をしながらも、どうしても表情筋の使い癖が気になって指摘させていただくこともあるかもしれません。
もちろん治療をするしないはご自身の選択ですが、一度耳を傾けていただければとても嬉しく思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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