たるみ改善のためにヒアルロン酸注入についてお話する際に、良く患者さんからお受けする質問にこれがあります。
「ヒアル顔(ヒアルロン酸顔)になりませんか?」
一部の芸能人の方などの例がありますので、行き過ぎた注入治療により、不自然なお顔になることを心配されているようです。反面教師として学ぶために、「ヒアル顔にはどうやったらなるのか?」について3回に分けて書いていきます。本日は〜その2〜になります。
〜その1〜をまだ読んでいない方はこちらから⬇︎
ヒアル顔(ヒアルロン酸顔)にならないですか?〜その1〜たるみ治療の疑問を解決!
〜その1〜では、私の考えるヒアル顔を作る三要素の一つ目は、経済力とお伝えしました。
本日はヒアル顔を作る二つ目の要素についてお話しますね。
以前、とある美容クリニックを訪れたときです。
看護師や受付の方が全員、まんまるオデコ&ボーンと盛り上がった頬&ハリウッド女優並みのリップで思わずジーッと観察してしまいました。私の基準では違和感を憶えてしまったのですが、ご本人たちは気に入っていらっしゃるようでしたので、美しさの基準というのはバラつきがあるのだな〜と強く印象に残りました。職業柄とはいえ、人の顔を見てアレコレと失礼ですが(汗)
この美容クリニックに限らず、スタッフが皆良く似たメイクやヘアスタイルということは良くあるかと思います。例えば、フライトアテンダント、アナウンサー、美容部員の方はスタッフ同士で良く似たメイクのことも多い印象です。もちろん職業上の規定があって良く似たメイクになっているところもあるとは思いますが、毎日一緒に働く先輩や同僚に影響を受けて、美しさの基準が作られていくという理由もあるのではないでしょうか。
このように美しさの基準というのは一つではありません。
美容皮膚科学会などでも「美しさとは?」のテーマでディスカッションされますが、大多数の方に支持される美しさの基準というのはあっても、絶対的な基準というものはありません。
例えば、日本では幼顔というワードが美容雑誌で取り上げられるように、幼さ・ピュア・あどけなさ・可愛さが好まれる傾向があります。それに対し、欧米では大人っぽさ・成熟さ・知的さ・クールさが求められる傾向が強いです。
このように、日本という国に住んでいると、周囲から「幼さ・ピュア・あどけなさ・可愛さが良いんだよ〜。」というシグナルを雑誌やテレビやSNSなどから受けることになります。これによって、美の基準がある程度形作られていきます。これと同様に、フライトアテンダント、アナウンサー、美容部員、私たち美容医療関係者も、それぞれの集団の中で、独自の美の基準が作られていっているのです。
そして、、、
この特定の集団内で作られた独自の美の基準が、ヒアル顔が出来てしまう原因の一つではないかなと考えています。
これ自体は別に悪いことではないので、これを自分の個性として突き進む方はもちろんそれで良いのです。しかし、私たちのように美容医療に携って、患者さんに治療の提案をする人間は、集団外から見たらどう見えるのかという客観的な視点も常に持っていないといけないと考えます。
例えばボリューミーなハリウッドリップが自分たち美容クリニックスタッフの間で流行っていても、世間からはどう見えるかを見失わないようにしないと、患者さんにご提案する基準がブレてしまいます。
患者さんは美容クリニックに勤めているのではなく、お堅い職業の方であったり、お子様のお受験を控えたママさんであったりするわけですから、一般的には行き過ぎた流行りを取り入れたご提案は控えた方が良いのではないでしょうか。
私自身、元々流行りに乗るのが苦手で、品質が良いと定評があるものを長く愛用したいタイプです。そんな元々の性格に加えて、美容医療のご提案に関しては更に意識的にコンサバティブ(保守的)であろうと心掛けています。
なぜなら患者さんの生活背景は様々です。先程申し上げたように、お堅い職業の方であったり、お子様のお受験を控えたママさんであったりすることもあるわけですから、基本的には大多数の方に受け入れられる一般的な美の基準に照らし合わせた提案をします。
ですので、私は涙袋を作ったり、グラマラスリップを作ったりは基本的にしません。足りないところを補い、全体的なバランスを整えることを重視しています。パッと見て、どこにヒアルロン酸注入したのかわからないというのが成功だと思っています。逆に「あーーリップにヒアルロン酸入れたのね。」と分かるような施術は私としては失敗です。これはあくまでも私の個人的な考えですので、もっと流行りの顔にしたいという方は、そういう方向を目指しているクリニックを選ばれる方が相性が良いと思います。
美容医療は美容院選びと同じで、目指す方向が一致していることが大切です。
私は非常にコンサバティブですので、どこを治療したのか分からないくらいの、自然な美しさを目指す方はお好みに合うかと思います。
反対に、「芸能人の○○みたいな唇に。」というのは苦手です。それがたまたま、その方の雰囲気に合っていたら良いのですが、、、そうでない時には、このようなリクエストを受けると考え込みます(笑)
可愛らしい雰囲気の方には、その可愛らしさを生かすご提案を、知的な雰囲気の方には、そのクールさを大切にするご提案を心掛けていますので、お読みになって、「分かるわ〜。」と共感してくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひ私にご相談いただければと思います。御来院の患者さんから「ブログを読んで共感したので来ました。」とか言われるとすごく嬉しいのです♪
あら、今日も2000文字超えの長文になってしまいました。いつも長いブログにお付き合いいただき有難うございます。
次回は、「ヒアル顔にはどうやったらなるのか?」についてのラストになります。どうぞお楽しみに〜。