厳しい暑さが続いていますね。今日も西日本各地で、熱中症警戒アラートが出ています。熱中症の救急搬送も大変多くなっているとのこと。皆さまもご無理なさらぬようお気をつけ下さいませ。
さて、患者さんから良く伺う疑問に「肝斑があるとレーザーは出来ないってホント？」というのがあります。これについて２回に分けてお答えしています。前のブログがまだの方は、肝斑があるとレーザーは出来ないってホント？その１を先にお読みくださいね！
今日は、実際の症例写真をお見せしながら解説していきます。
- 年齢・性別 50代男性
- 主訴 シミ除去
- 診断 日光によるシミ（老人性色素斑）と広範な肝斑
まず、初診時の写真です。
肌診断撮影をしていくと、老人性色素斑という日光によるシミだけでなく、両頬〜こめかみにかけて広範囲に肝斑が見られました。
肝斑というと女性のものというイメージがあると思いますが、皮膚の慢性炎症が病態ですので、慢性的な炎症が続いている場合は性別を問わず発生します。この方の場合は、長年の紫外線などの光に皮膚が晒されていたことが、慢性炎症の原因だと考えられました。
これらの肌状態を踏まえて治療計画を立てていきました。
- 治療① トラネキサム酸など内服
- 治療② 日焼け止めの徹底
- 治療③ シミ除去レーザー
- 治療④ ゼオスキン
色素沈着予防のために治療①②をスタートしてから、治療③でシミ除去レーザーをしますが、色素沈着を完全に抑えることは出来ないので、レーザー後は色素沈着改善とこれから発生するシミ予防のために治療④を併用します。
次の写真は治療③直後になります。
予想通りかなり色素沈着が強く出ています。治療①②を継続しながら、治療④も開始しました。次は治療④開始後5カ月のお写真になります。
心配した色素沈着も軽快し、それだけでなく肌そのものが健康になっています。慢性炎症が原因の肝斑も改善し、艶やハリも見違えるばかりです。
このように肝斑があるからといって絶対にレーザー治療が出来ないというわけではないのですが、色素沈着が出るリスクはどうしても高くなります。ですので、それを乗り切る覚悟がお有りかなど、細かくご希望をお伺いしながら治療計画を立てています。
今回のケースではシミ除去レーザーのタイミングを夏季休暇に合わせたいことなど、諸事情があったため、色素沈着をある程度覚悟した上でレーザー治療を早期に行いましたが、通常はもう少しゆっくりのペースで治療①②に取り組み、炎症が鎮静したのを見計らってからレーザーをすることが多いです。
患者さんが色素沈着などのダウンタイムをどれくらい許容できるのか、いつまでに綺麗な肌を完成させたいのか、などによっても治療計画は変わります。基準となる治療指針はもちろんありますが、ケースバイケースで細かく調整しているのは当院ならではかもしれません。
「たかがシミ、されどシミです！」
その方の状況に合わせて細かく治療計画を調整しているからこそ出せる結果というのは、やはりあるなぁとつくづく思います。今回の症例写真の方も、もしただ単にシミをレーザーで除去しただけでは、全く違う結果だったはずです。きっとご満足いただけなかったでしょう。
もし自分の肌状態にあった最適の治療をしたいとお思いの方がいらっしゃいましたら、ぜひ私にご相談くださいね。患者さんと二人三脚で、最高の結果を出すために工夫していく過程はとても楽しく、この仕事の面白さだと思います。ぜひ一緒に頑張りましょう(^^)
また、最後になりましたが、お写真の使用をご快諾いただいたことにも感謝申し上げます。
注）ブログの文字数を少なくして更新頻度を上げるようアドバイスされているのですが、（SEO対策とかのためらしい）書き始めるとどうにも止まらず相変わらずの長文になってしまいます(汗) いつも長い当院ブログにお付き合いいただいている皆さま、ありがとうございます！
