夏休みに入りましたね!
我が家のやんちゃボーイズは、朝から晩まで(言葉通りホントに8時から18時まで)外遊びしています。
朝に日焼け止めを塗らせてはいるのですが、汗で落ちるし、途中で水浴びしたりしているので全く追いつかず、昨日は真っ赤に日焼けした顔で帰ってきました。
男の子の光老化対策は難しいです(涙)
さて、ご来院の患者さんの中には、肝斑と日光によるシミ(老人性色素斑)の両方があり「肝斑があるからレーザーは出来ない。」と他院でシミ治療を断られたという方もいらっしゃいます。
そういう方の場合、レーザーは出来ないと思っていらっしゃるので、当院でレーザー治療のお話をすると、「肝斑があるとレーザーは出来ないのではないですか?」と戸惑われます。
ですので、いつも時間をかけて、その意味を解説していくのですが、、、
その他院の医師が伝えたかった意味が患者さんにうまく伝わっておらず、短絡的に「肝斑あるとレーザー不可!」という誤解を生んでいるようですので、「肝斑があるからレーザーは出来ない。」というフレーズの意味について解説しますね。
重要ポイント その1
肝斑にレーザーは効果なし!
肝斑は皮膚の慢性的な炎症によるものです。ですので、より炎症をもたらすことになるレーザー治療は効果がないばかりか、悪化を招くリスクがあります。
※低出力で照射するレーザートーニングという治療も、多くの美容クリニックで肝斑治療として扱いがあり、賛否両論あるところですが、肝斑は慢性炎症であるという観点から考えるとあまり好ましいものではないと私は考えています。私も勤務医時代にレーザートーニングの症例を多数経験しておりますが、結果も満足いくものではなかったです。
重要ポイント その2
肝斑のある方は、レーザー後の色素沈着が出やすい!
肝斑があろうとなかろうと、日光によるシミにはレーザーでの除去が効果的なのは変わりないのですが、肝斑のある方はレーザー後の色素沈着が出やすいというリスクがあります。
肝斑は皮膚の慢性的な炎症によるという点を考えると、炎症の上にレーザーで炎症を重ねることになるのですから納得できるかと思います。
まとめ
では、肝斑もシミもある場合はどのように治療を組み立てていけば良いのでしょうか?
- 色素沈着の予防に努める
- 色素沈着を改善する治療を併用する
ケースバイケースではありますが、基本的にはこの2点に気をつけていけば良いと考えます。ですので、当院では、肝斑=レーザー治療禁忌としておらず、色素沈着予防や改善に努めながらレーザーをすることも多々あります。
具体的には、、、
色素沈着予防にはトラネキサム酸などの内服、光老化対策の徹底、摩擦を避けるスキンケアやメイクの見直し
色素沈着改善にはゼオスキンヘルスを用いたホームケア
を取り入れています。
このようにレーザー一辺倒ではなく治療の幅が広がったことで、以前よりもずっと肝斑がある場合も治療しやすくなりました。
私が美容皮膚科医になりたての頃は、まだまだゼオスキンも日本人向けの使い方は浸透しておらず、肝斑のある場合は色素沈着が怖くて治療に難渋することが多かったです。
冒頭の「肝斑があるからレーザーは出来ない。」というフレーズも、
「シミにはレーザーが適応ではあるけれども、色素沈着のリスクを考えると怖くて踏み切れないよ。」
というDr.の心の声を簡略化したものだと思います。
しかし、今は内服やゼオスキンをうまく組み合わせれば、色素沈着のコントロールもそこまで難しいものではなく、肝斑をお持ちも方も、以前よりずっと安心して治療をお受けいただけるようになっています。
次回は肝斑があるとレーザーは出来ないってホント?その2として、肝斑とシミが両方ある場合の治療例について、症例写真を交えながらお話していきますので、お楽しみに!