6月10日、11日とお休みをいただき有難うございました。
第120回日本皮膚科学会総会ランチョンセミナーで講演の機会をいただき、横浜に滞在しておりました。
総会は日本で一番多く皮膚科医が集まる一大イベントでして、講演に不慣れな私がいきなりの大舞台で緊張しましたが、それ以上にワクワク感も強く、良い経験をさせていただきました。メディカランドならびに皮膚科学会の皆様、有難うございました。
テーマは『どうして光老化対策が進まないのか?』というもの。
当院では「シミのレーザー希望です。」という患者さんが来られても、「はい、わかりました。」とレーザー照射して終わりにはしません。
なぜならシミは光老化の影響が現れたものであり、光老化予防&改善を図らないと、シミ除去のみではあまり意味を持たないからです。光老化対策なしでは、すぐにシミは再度増えますし、シミだけでなく、シワやたるみ、皮膚の質感が悪くなるなど、綺麗な肌は実現しません。
当院は肌のことをイロハ(初歩)からお伝えするクリニックですので、その辺りの指導に重きを置いています。そのようなクリニックは少ないのかもしれません。それで講演にお声かけいただいたのかと思いますので、しっかりと当院なりのやり方をお話しさせていただきました。
今回講演の準備をしていく中で、私がどれだけ光老化対策に思い入れがあるのか、改めて実感しましたし、そのようなやり甲斐を感じているテーマでお話しをさせていただける幸せを感じました。
光老化という言葉は随分前からありますが、まだ認知度は2割ほどです。
もっともっと多くの方に光老化の影響について知っていただいて、幼児期から皆が日焼け止めを塗るのが当たり前になればと思っています。歯みがきと同じくらい健康習慣として根付いてくれたら嬉しいです。
今では「毎日食後に歯を磨く」ことは、あたり前に感じますが、1969年には毎日2回以上歯を磨く人は16.9%と少数派でした。1日のうち1回も歯を磨かない人も約20%いました。このように食後の歯みがきも、昔は一般的ではなかったものの、様々な啓発活動により現在のように定着しています。
ぜひ日焼け止めも歯みがきに続きたいものです。
ただ日焼け止めなら何でも塗れば良いわけではなく、その成分の安全性や効果についても考えて選ばなければいけません。
残念ながら日本は日焼け止めの成分規制に関して、諸外国に比べ遅れています。
接触皮膚炎や内分泌かく乱作用が懸念されているオキシベンゾンとオクチノキサートなどの紫外線吸収剤を含まないものであることが、安全性の最低基準だと考えます。
しかし、オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)は日本の日焼け止めの多くにまだ使用されています。
これらのオキシベンゾンやオクチノキサートは海洋生物の生態系を破壊する恐れや、内分泌かく乱作用のリスクがあると欧米では取り上げられている成分で、ハワイやカリブ海などでは使用禁止です。
日本でももっと意識が高まり、日焼け止め製品の成分にもそれが反映されればと思います。
効果については、紫外線A波B波だけでなく、近赤外線やHEVライトまで防げるものであることが大切です。
広い会場! WEB視聴も併せると200名くらいのDr.に聴いていただけました。
壇上に上がると緊張してしまい、備え付けのマイクをうまく外せず置いたままだったので話しにくかったです。
次はマイクの外し方を事前に確認します (涙)
右から、千里中央花ふさ皮ふ科 院長 花房崇明先生、近畿大学奈良病院 皮膚科教授 山田秀和先生、私、メディカランド株式会社 代表取締役社長 篠崎様。
皆様のお力添えもあり、無事に講演を終えることができました。有難うございました。
講演後にこのメンバーで昼食を囲みまして(マスク会食ね)、最近の抗加齢医療について山田先生からお聞きしたり、開業医ならではのあるあるを花房先生とお話ししたり、とても楽しい時間を過ごせました。
開業医は孤独でして、このような場に自ら出ていかないと話せないことも多いです。
コロナ禍でwebのセミナーは楽で重宝していましたが、意見交換のしやすい対面ならではの良さも大いに味わいました。
さて、講演終了後は少しだけ横浜観光もしましたよ。
『港の見える公園』で娘が撮ってくれました。紫陽花の色合いが透明水彩で描いたように滲んで綺麗でした。
宿泊した部屋からは、大迫力のコスモクロックも見えました。
横浜は日暮れ後が似合う街ですね。
以上、学会講演&横浜のご報告でした。