はだいろはクリニックでのたるみ治療は、ヒアルロン酸注入とハイフHIFU(ウルトラセルQプラス)の組み合わせ治療を基本としています。
たるみ治療には、手術・糸リフトなどがありますが、その中でも「なぜヒアルロン酸注入とHIFUの併用治療を基本としているのか?」という疑問にお答えするために、それぞれの効果の違いや、その使い分けについてお伝えします。
効果的なたるみ治療を行うには、たるみの原因を知らないといけません。
まず、たるみのメカニズムについてお伝えします。
たるみはなぜ起こる?原因は?
お顔の老化は、皮膚だけに起きているものと思われがちですが、実は骨格や筋肉、皮下組織を含むお顔全体の組織構造が、立体的に変化しています。
年齢を重ねていくと骨の吸収が進み、それに伴って骨が小さくなっていきます。これを骨萎縮(こついしゅく)と呼んでいます。
また、皮下組織(皮下脂肪)のボリューム減少、位置移動、下垂、筋膜や靭帯の緩みも起こります。
このようにたるみは複数の原因が組み合わさって起こりますが、その中でも骨萎縮とそれに伴う皮下組織の下垂が一番大きなたるみを引き起こす要因になっています。
ヒアルロン酸の役割や効果は?
ヒアルロン酸は骨萎縮によって減ったボリュームを補うのが主な役割です。
これらのボリューム減少を補うと、下がっていた皮下組織が元の位置に戻るような重心移動が起きて「フェイスラインのもたつきが減った。」「下がっていた頬が引き上がった。」などのリフトアップ効果が得られます。
骨萎縮によるボリューム減少を改善できる治療法には、他のフィラー(皮膚充填剤)や脂肪注入も候補に上がるかもしれません。しかし、安全性やボリューム調整が可能な点を考慮すると、ヒアルロン酸注入に軍配が上がると考えています。当院では安全性や効果の点で優れている厚生労働省認可のアラガン社ジュビダームシリーズのみを使用し、部位や肌質によってボラックスXC、ボリューマXC、ボリフトXC、ボルベラXCを使い分けしています。
HIFU(ハイフ)の役割や効果は?
HIFUは超音波を一点に集束させることで、ターゲットに熱を与えるたるみ治療機器で、当院ではウルトラセルqプラスを使用しています。
ウルトラセルqプラスには、1.5mm・2.0mm・3.0mm・4.5mmのカートリッジがありますが、たるみ治療には4.5mmリニアカートリッジを主に用いて、不要な脂肪細胞を減らすように照射します。
「アゴ下の脂肪が減って二重アゴがスッキリした。」「フェイスラインの骨のラインが分かるようになった。」など、部分痩せの効果を感じる方が多くいらっしゃいます。
ヒアルロン酸とハイフの使い分けは?
簡単に言うと、ヒアルロン酸は足し算の治療、ハイフは引き算の治療、と言うことができます。
下記の写真をご覧ください。
(左:治療前 右:治療前アセンスメント)
青色の部分(ボリュームが減っている部分)は骨や脂肪の萎縮が目立つところ、赤色の部分(ボリュームか余っている部分)は脂肪が重力に従い下に落ちてきて溜まっているところになります。
青の部分にヒアルロン酸注入でボリュームを足してやって、赤の部分のボリュームをハイフで減らしてやるというのが、ヒアルロン酸とハイフの基本的な使い方になります。
この治療方針で施術したのが下記のお写真です。
(左:治療前 右:治療後)
使用製剤:ヒアルロン酸7cc(ボリューマXC 6cc, ボリフトXC 1cc), エランセ 1cc
合併症:アナフィラキシー、感染、遅発性アレルギー、血流障害など
お顔のシワやたるみを「ほうれい線」や「マリオネットライン」のように部分的に見るのではなく、全体的なボリュームの増減と捉えて治療することで、自然な若々しさが実現できます。
ヒアルロン酸とハイフ、私はどちらからスタートすればいいの?
青色の面積が多くなりがちな痩せ型の方は、ヒアルロン酸多め、ハイフ(ウルトラセルQプラス)少なめの治療バランスが適していることが多いので、順番としては先にヒアルロン酸注入から取り組むのが良いかもしれません。
赤色の面積が多くなりがちなふくよかな方は、ヒアルロン酸少なめ、ハイフ(ウルトラセルQプラス)多めのバランスが適していることが多く、ハイフを先にしてからヒアルロン酸という順番が最適かと思います。
ヒアルロン酸とハイフの治療間隔
ヒアルロン酸とハイフの併用治療に関して「ヒアルロン酸からハイフの期間はどれくらい開ければいい?」「ハイフを照射したらヒアルロン酸が溶けるってホント?」というご質問もよくいただきます。
ヒアルロン酸注入部位とハイフ照射部位は、上記のヒアルロン酸とハイフの使い分けで説明した通り、部位が異なります。ですので、ハイフを照射したらヒアルロン酸が溶けるなどの影響を通常は考慮する必要はありません。仮に照射部位が重なる場合でも、現状大きなトラブルは報告されていません。
当院ではヒアルロン酸注入後にハイフを照射する場合は、4週間以上空けて施術をしており、ハイフ後にヒアルロン酸注入をする場合は、2週間以上の間隔を取っています。
ヒアルロン酸注入が不必要な方は?
たるみの一番大きな要因は、加齢による骨萎縮です。20代後半以上の方では、ほぼ全員に何らかの骨萎縮のサインがみられるので、ヒアルロン酸注入が不必要な方はいないと言ってもいいでしょう。糸リフトや手術では、この骨萎縮によるボリューム減少を補正することができません。ですので、たるみを改善したい方は、ヒアルロン酸注入で骨萎縮による減ったボリュームを取り戻す必要があります。
ハイフが不必要な方は?
骨萎縮が進むと、皮下脂肪も下がりがちになり、痩せ型の方であってもフェイスラインやアゴ下に不必要な脂肪が溜まってきます。ハイフでこれらの不必要な脂肪を減らすと、輪郭の凹凸も改善し、滑らかな輪郭が実現します。30代以上のたるみ改善には、ほぼ例外なく必要な施術です。稀な例ですが、極端に皮下脂肪量が少ない方はハイフをしない方がよいこともあります。
ヒアルロン酸注入とハイフだけでたるみ改善が不十分なのは?
ヒアルロン酸注入とハイフの併用治療は大多数の方に効果的なたるみ改善の基本治療です。しかし、これらの基本治療では改善が不十分な場合もあります。
●極端な体重の増減による余剰皮膚がある方
短期間で10kg以上体重が減少した場合、引き伸ばされて余った皮膚が垂れ下がりがちです。このような皮膚の余りに対しては、フェイスリフト手術で切除する方が、効率的にたるみ改善が図れる可能性があります。
●V字型のシャープなフェイスラインを希望される方
ヒアルロン酸注入とハイフでも、お顔の重心を上方に移動させて、スッキリとした卵型のフェイスラインに近付けることはできます。しかし、V字型のシャープなフェイスラインを希望される場合は、糸リフトを併用して脂肪の移動もした方が効果的です。
ヒアルロン酸注入とハイフだけで、全てのたるみが解決するということではありません。しかし、これらの治療は、フェイスリフト手術や糸リフトをされる方にも必要な施術です。ヒアルロン酸注入とハイフをたるみ改善の基本治療としている理由は、これらが一部の方にのみ必要な治療ではなく、たるみ改善を目指す方のほとんどに必要な治療だからです。
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